アンケート結果

2002年2月 お子様に教えたい昔ながらの遊びは、何ですか?

調査概要

調査方法: 雑誌や新聞等でのハガキ及びインターネット上でのアンケート付きプレゼント企画の応募ハガキよりランダムに抽出
  実施期間: 2002年2月
  質問内容: こども教えたい昔ながらの遊びは何ですか?
  有効回答数: 10,132人(ハガキ8,573人、ホームページ1,559人)

年齢内訳
0~2歳 1,561人
3~5歳 1,818人
6~8歳 1,191人
9~11歳 713人
12歳~ 164人
---------------
計 5,447人


年齢内訳
0~2歳 1,510人
3~5歳 1,430人
6~8歳 1,016人
9~12歳 616人
12~15歳 114人
-------------
計 4,685人




  %はその人数÷回答数で、その遊びを伝えたい家族(親)の割合 いずれも複数回答あり
『こども教えたい昔ながらの遊びは何ですか?』

男児全体集計 (回答人数5447人 回答数9487)


女児 全体集計 (回答人数4685人 回答数8254)
%はその人数÷回答数で、その遊びを伝えたい家族(親)の割合 いずれも複数回答あり


男女 年齢別集計結果


 
調査結果概要1

男児は「コマ回し」女児は「あやとり」がそれぞれ1位に

 男児は「コマ回し」が15.3%で1位、続いて「メンコ」(12.8%)、
「竹馬」(11.7%)とおなじみの昔懐かしい遊びが続いた。
女児では「あやとり」が22.9%で1位。続いて「ゴム遊び」(19.3%)、「お手玉」(19.2%)という結果となった。
今回のアンケートでは男児で1位の「メンコ」が15.3%、女児で1位の「あやとり」も25.7%と低く、全体的にも回答にかなりばらつきは見られる。男児で「コマ回し」や「メンコ」が上位に入った背景には親たちが男の子らしい遊びをしてもらいたいということで、勝敗や優劣がはっきりしているゲーム感覚のものがあがっているようだ。女児の「あやとり」や「お手玉」は手先を使うことで器用になって欲しいという思いもあるようだ。「あやとり」や「折り紙」は1本の糸、1枚の紙から色々な形のものが出来上がる素晴らしさを伝えたいという意見が多かった。

調査結果概要2

楽しかった遊びの思い出をこどもたちにも伝えたい!

 遊びの中で今の親たちがクラスの人気者になったというエピソードも多く、こどもたちにも同じようになって欲しいという意見もあった。やはり最近では室内でTVゲームをするこどもが多く、親たちは友達や家族みんなで楽しめる遊びや、外での遊びを教えて一緒になって遊びたいようだ。ただ、昔と比べて今は遊ぶ場所が少なくなっていることもあり、広い場所を必要とする遊びを楽しみにくくなっているかもしれない。

 アンケートで上位に上がっている遊びのほとんどは、今の親たちが自分の親(祖父母)に教えてもらったという回答が多く、楽しく懐かしい思い出の遊びを自分達も同じように今のこどもたちに伝えていきたいようだ。

 今回のアンケートは、調査開始以来初となる1万通を超える応募があった。このことから見ても、小さいこどもを持つ親にとって関心のあるテーマだったのではないだろうか。


このアンケートについて「こども調査研究所」渡部尚美氏から
コメントをいただいております。

 こどもの「外遊び」とは、アウトドアでの遊び全般のことを必ずしも意味するのではないと私は考えています。家の中にいたら迷惑なほど充分に熱中・興奮してしまった状態そのものを指すのではないかと思うのです。

 こどもたちは何かを得るために遊んでいるわけではありません。全身全霊でおもしろがれる対象に出会い、周りが見えなくなるほど没入して遊ぶ中で、次々とその時点の自分を乗り越えて新しい自分と出会い続けていきます。心から熱中し没頭する過程において、結果としてたくさんのものが得られることはあるにしても、最初から何かを得るために遊んでいるわけではありません。

 ベイブレードという現代的なコマで遊ぶことが、小学生男子を中心に大人気になっています。昔のベーゴマ遊びと同じで、2人でコマを同時に回転させて、相手のコマを場外へはじきとばすか、相手よりも長く回転を保ち続けた者が勝利を得ます。1つのコマは5つのパーツで構成され、パーツを組み替えることで、攻撃的にも守備的にも、スタミナ的(回転し続ける)にもその性格を変えていきます。

 こどもたちは、相手がどういう性格のコマをくり出してくるかを予想し、自分のコマの性能を選んで闘わせます。読みが的中すれば快勝することもありますが、はずれればボロ負けということもあるわけです。相手の癖やパターンを予想して、それに対応する自分のコマを構成します。相手の予想の「裏」をついて驚かせる楽しみもあります。人間が相手だからこそ感じられる駆け引きの楽しさは、どんなに時代やテクノロジーが進歩しても、普遍的な喜びであり続けているようです。

 大人は、こどもたちがこうした昔風のテイストを持つ遊びに熱中するのを歓迎します。それは懐古的気分だけではなく、かつてのこどもが感じていた普遍的な遊びの喜びが、時代を超えて共有できることに安心と共感を感じるからでしょう。いくらコンピュータが人間くささのような要素までを搭載しても、本物の人間の人間くさい楽しさにはかなわないわけですから。


 面白い遊びと出会い、その遊びを共有できる友達を得て共に熱中することで、こどもたちは日頃は見せない能力を開花させていきます。ベイブレードのパーツの微妙な差異を見分け、一つ一つの名前と性格をそらんじ、組み合わせによる効果の大小や相手による相性までを経験的に記憶し、新たなバトルの展開をイメージしていきます。普段では考えられないような集中力、記憶力、構成力を発揮していきます。多くの親たちは「この情熱と能力を少しでも勉強にも向けてくれればいいのに…」と苦笑いを浮かべます。

 遊びの面白さは、「生活や人生に直接役立つことから自由」であることによるものなのかもしれません。コマ回しもメンコもあやとりもゴム跳びも、単純にひたすら楽しく、しかも時代を超えた本質的な面白さを感じられるから、大人が伝えたいと思うのでしょう。伝えたいのは「純粋に熱中する忘我の記憶」であるのかもしれません。