身近にあるモノが、”アリエナイ組み合わせ”で合体、瞬間変形！ まったく新しいロボット玩具シリーズ『ユニトロボーン』、今回はその生みの親によるこだわりの開発ストーリーをお届けします。
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「アップル」と「ロブスター」がなぜ合体ロボットに!?
皆さん、初めまして！
バンダイで入社2年目から10年近くおもちゃの企画・開発を担当している齋藤と申します。僕がいま所属しているのは、キャラクターや世界観もない、全くのゼロから新たにオリジナルの企画をして商品化するおもちゃの企画・開発のチームです。その中で「新しい合体・変形するおもちゃ」を子ども向けに企画したいというアイデアと、バンダイが長年にわたり展開してきた『マシンロボ』シリーズを現代向けにアレンジして商品化できないか、というアイデアをきっかけに企画が始まったのが『ユニトロボーン』でした。『ユニトロボーン』は『マシンロボ』の系譜を受け継ぎながらも、まったく新しい合体・変形ロボットとして展開していきます。『ユニトロボーン』の最大の特徴は、「アップル」＋「ロブスター」、「タクシー」＋「ツリー」など、“アリエナイ組み合わせ”の合体と瞬間変形でロボができあがること。実は最初は、「パトカー」＋「消防車」というような、もっと「王道」と言われるわかりやすいモノ同士の合体・変形ロボも考えたんです。でも企画・立案を進める中で、どことなく既視感がぬぐえないのが引っかかっていました。そもそも、合体・変形ロボットは何十年も前からある普遍的な遊びのおもちゃです。それを今の子どもたちに届けるにあたって、どこをフックにするべきか？ そう思ったときに、「おもちゃの歴史の中で合体したことがないモノ同士が合体する、だけど驚きのある変形ができ、さらにかっこいいロボができる」というのをベースのコンセプトとして持つことにしました。
同じ色のモノを合体させる、というルールを設けた以外、合体するモノのモチーフは「面白いかどうか」と、アジアを中心とした世界展開を見据えて「世界共通で同じ色の認識を持てるか」という点を重視して自由に選んでいます。そのうえで、ロボにした状態はもちろん、合体前のモノとしての形も本格的に作り込んでいるんです。「ユニトロボ アップルロブスター」なら、ロブスター状態のハサミの塗装のグラデーションや、体表の独特なゴツゴツ感の表現。もう一方のアップルも、本物のリンゴらしい形を再現するために、上から見た形がまん丸ではなく七角形になるようにしています。左右非対称のデザインにすると設計がとても大変になるのですが、モノの形の再現性を大事にして、こういう部分にはこだわっています。
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「おもちゃで遊ぶこと」の最初の体験になってほしい
こうして『ユニトロボーン』というおもちゃそのものの面白さは見えてきました。しかしながら、テレビアニメに登場するような商品ではないので、お子さんに初めて手に取ってもらうまでは工夫が必要になります。そこで今回は、「歌」でコンテンツを広げることを思いつきました。耳に残るCMソングのように、軽快なメロディにのせて「UTA-ZO」というキャラクターが歌を歌い出すと、なぜか身の回りの同じ色のモノが合体してロボになる……という世界観で、簡単に言うと、「おもちゃ版の絵描き歌」をイメージしています。TVCMやおもちゃ売り場をはじめ、『ユニトロボーン』のある場所ではこの「合体ソング」が至るところで流れるので、この歌がみなさんに存在を知ってもらえるきっかけになればと思っています。
そんな商品開発の中で僕が気をつけているのは、お子さんでも大人でも「ユーザーの皆さんはおもちゃだけをずっと見て生活しているわけではない」ということです。つまり、おもちゃの範疇だけでなく、音楽やSNSなど、皆さんの間で流行しているものは開発のインスピレーションのために何でもチェックします。服や色の流行りもそうで、『ユニトロボーン』の場合、商品のパッケージアートに淡めのパステルカラーを使っているのはまさにそうした流行を参考にしたところです。
『ユニトロボーン』は、おもちゃとしてのストレートな良さをしっかりと、かつ新しい形で届けたいという思いをこめた企画です。“アリエナイ”合体をしているわりにちゃんとやっている……つまり、合体するモノ選びは変化球なのですが、思わずガチャガチャと触りたくなるような変形のギミックがあって、できあがったロボはかっこいいものとして成立している。まずはそんな『ユニトロボーン』を、メインターゲットとなる3～5歳の子どもたちに遊んでもらって、それが「おもちゃで遊ぶこと」の最初の体験のきっかけになってくれたら嬉しいなと思います。
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